私だけに甘いあなたと恋をする
「あーもう…。まゆって……どうしてそー(あお)るのがうまいかなぁ…」


「んっ…」


頬に触れる響ちゃんの唇。

響ちゃんが喋るたび息が肌に触れ、背中がぞくぞくして普段出ない声が出た。


「や…」


何か自分が自分じゃないみたいで恥ずかしい。


「甘い匂い、強くなってる」


「え…」


甘い匂いって、私の血の匂い…だよね?


「ああ、そうか…。そーゆーことか」


何?

何が『そーゆーこと』なの?


一人納得する響ちゃん。

何のことかさっぱり分からない。


「『食べたい』とかじゃなくて、ストレートに『血が欲しい』って言ったら分かってくれる?」


血が……欲しい?
< 66 / 449 >

この作品をシェア

pagetop