私だけに甘いあなたと恋をする
「――…っ!!」


首に激痛が走る。


「ごめん…。痛かった?」


響ちゃんの両手が私の頬を包んだ。

本当に痛いのは一瞬だったけどズキズキした痛みはあるし、首筋から血が垂れているのも分かる。


「大丈夫」


我ながら情けない声。

痛いけど、響ちゃんに心配はかけたくない。


「大丈夫じゃないでしょ……」


『ごめんね』

そう言って何度も謝る響ちゃん。


「まゆの血の匂いで分かる。さっきはすごく甘かったのに、今は普通の鉄の匂いみたい」


え…。

血の匂いって変わるの?


私には分からないことだらけ。
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