私だけに甘いあなたと恋をする
「え…、あ……。ま、真鍋――」


「あら、どうしたの?」


私達が立ち上がったところにタイミング良く、先生が入ってきた。


「三輪さんが体調不良みたいなんで、保健室に連れて行こうと思って…」


「本当…顔真っ青…。真鍋くんお願いしてもいい?」


「あ、はい。元々そのつもりなんで…」


それまで先生と真鍋くんのやり取りを大人しく見守っていたクラスメイト達が騒ぎだす。

ヒューヒューという声まで聞こえてきた。


「はいはい、静かにー。じゃ、真鍋くんお願いね。他の皆は出席取りまーす」


淡々と進める橋本先生。

手首を握られた状態で、皆の注目を浴びながら教室を出た。
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