私だけに甘いあなたと恋をする
よし、教室戻ろっ。


回転いすの男の子の横で頭を下げ、ドアに手を伸ばそうとしたところで勝手にドアが開いた。


「あら、起きたの」


目の前には橋本先生。


「あ、はい…」


「もうテスト終わって皆帰ったけど、別の日に追試って形でいいかしら?」


先生が私に鞄を手渡してくれる。

そして私の横に視線を落として一言――。


「森くん!何でこんなところに居るの?」


誰…だろ…。


「昨日の入学式、何でサボったの?今日もテスト受けに来ないし!」


「だって、あんなの受ける意味分かんないっすもん」


入学…式…?

ってことは、同じ学年の子?
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