私だけに甘いあなたと恋をする
「皆自己紹介も済ませたのに、してないの森くんだけなのよ」


え…。

ってことは、もしかして私の後ろの…?


ゆっくりと立ち上がる。

背が高くてまるで壁みたいだ。


「テスト、受けりゃ成績つけてもらえるんすか?」


「……ちゃんと授業に出てるかも入るわよ」


二人のやり取りを黙ってみていることしかできない。


「とりあえず、今回の追試受けりゃいいんすよね」


「……まあ、ね…」


「じゃあ、俺も受けます」


「……はい。今日はもう下校の時間だから、また今度三輪さんと森くんで一緒に追試受けてね」


名前を呼ばれ、顔を見合わせた。
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