私だけに甘いあなたと恋をする
「変なあだ名つけない!」


「へーへー」


森くんが出て行き、先生もその後に続く。


「顔色だいぶマシみたいだけど、まだしんどいようだったら寝てていいからね」


部屋から半分体を出した先生が私を振り返ってそう言った。


「…はい」


「気を付けて帰るのよ」


「はい」


先生とのやり取りを終えたら気が抜けたのか、立っているのがしんどくなってさっきまで森くんが座っていた回転いすに腰を下ろす。


「あ、居た」


鞄を肩に引っかけて保健室を出たはずの森くんが、また戻ってきた。

明らかに私をめがけて…。
< 87 / 449 >

この作品をシェア

pagetop