私だけに甘いあなたと恋をする
「……森くんには内緒っ!」


響ちゃんが吸血鬼なんて、他の人には言えないもん。


「ふーん…。じゃあさ、追試で俺が勝ったら教えてよ」


「えっ!」


学年首席に!?

そんなの無理無理無理っ!


「アンタが負けなけりゃいいだけだろ。それとも自信ないわけ?」


「……っ、ないわけ…じゃないけど…。勝てるかどうかなんて…」


絶対無理な気はするけど、そんなこと言えなくて言葉を濁した。


「そうだな…。俺だけってのも何だし、ミワさんが勝ったら何でも一つ言うこと聞いてやるよ」


何でも?!


「ま、勝てないと思うけどね」


フッと笑い、また背を向けて保健室から出ていった。
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