私だけに甘いあなたと恋をする
「今日しんどかった?」


「……ん、ちょっと…」


小声でのやり取りがいけないことをしてるみたいでドキドキする。


「…本当にごめん…。家まで送ろうか?」


わざわざそれを言いに来てくれたの?


嬉しくて森くんのことも真鍋くんのことも全部飛んじゃいそう。


「大丈夫だよ、ありがと」


その言葉で頑張れる気力が湧いたから。


「そっか…」


そして辺りをキョロキョロ。


どうしたんだろ。


そう思った次の瞬間――。


「――っ…」


響ちゃんの唇が私の唇に触れた。


「気を付けて」


また人差し指を自分の唇に当てた後、そう言って微笑みながら校舎の方に戻っていった。
< 96 / 449 >

この作品をシェア

pagetop