タイムスリップ・キス
Time23.好きな人との未来)
「…山田、大丈夫?」
「おう」
「…痛いとこない?」
「おう」
「…絶対痛いよね!?」
「わかってんなら聞くな!」
休みが明けた月曜日、そこら中傷だらけの私たちは体中に手当の跡が残っていた。
あのまま病院へ運ばれ、検査してもらったけど特に異常はなくて今日も普通に学校へ来てる。
ちなみに小西先輩とぶつかった人は無事だった私たちにこれでもかってほど謝っていた。
もう二度と歩きスマホはしないって泣きながら。
あの人も後悔してたのかなって思った。
「…みんな一応はなんともなくてよかったな」
「うん」
授業が終わった放課後、下校していく生徒たちを教室の窓から見ていた。
賑やかに校舎から人が出ていく下校の時間。
窓の外、私たちに気付いた人影が手を振っていた。
「あ、伊織先輩と小西先輩だ!」
すぐに同じように大きく手を振り返した。
ぶんぶんとわかるように、めいっぱい。
ここから見ても温かそうな2人の空間だった。
やっぱりお似合いの2人だなぁ。
「そーいえばさー」
「ん?」
「まぁかろうじて体は無事だったんだけど、あの時俺も後ろに倒れたわけよ」
「うん」
「だから見てくれよ、これ」
そう言って制服のスボンのポケットから山田が取り出したのはバッキバキに画面の割れたスマホだった。
「後ろのポケットに入れたからこのザマだよ」
「うわぁ…、ごめん」
「別に椎葉のせいじゃないけど」
気の毒なくらいヒビだらけで、とてもじゃないけど使えそうになかった。
「はぁー…、新しいの買うかなー」
長めのタメ息をついた山田。
さすがにそれを弁償するお金は私にはない、未来の山田は私にスマホを買ってくれたけど。
だからこんなことしか言えないんだけど。
「スマホ新しくするなら…、お揃いにする?」
「え?」
瞳をぱちくりさせた山田は不思議そうだった。
急に恥ずかしくなった、なんでそんなこと言っちゃったんだろうって。
だって今の流れ変だ!
まるで一緒がいいみたいな!
いや、そう思ったから言ったんだけど…っ
「マジ?いいの?」
「え?」
「その機種いいな~って思ってたんだ!さっそく機種変行こうかな~!」
………よかったみたい。
“だって使えるし、気に入ってるからなこれ”
私もそうなるよ。
三次元カメラ付きスマホは私が手に入れるにはまだまだ先になりそうだよ。
「おう」
「…痛いとこない?」
「おう」
「…絶対痛いよね!?」
「わかってんなら聞くな!」
休みが明けた月曜日、そこら中傷だらけの私たちは体中に手当の跡が残っていた。
あのまま病院へ運ばれ、検査してもらったけど特に異常はなくて今日も普通に学校へ来てる。
ちなみに小西先輩とぶつかった人は無事だった私たちにこれでもかってほど謝っていた。
もう二度と歩きスマホはしないって泣きながら。
あの人も後悔してたのかなって思った。
「…みんな一応はなんともなくてよかったな」
「うん」
授業が終わった放課後、下校していく生徒たちを教室の窓から見ていた。
賑やかに校舎から人が出ていく下校の時間。
窓の外、私たちに気付いた人影が手を振っていた。
「あ、伊織先輩と小西先輩だ!」
すぐに同じように大きく手を振り返した。
ぶんぶんとわかるように、めいっぱい。
ここから見ても温かそうな2人の空間だった。
やっぱりお似合いの2人だなぁ。
「そーいえばさー」
「ん?」
「まぁかろうじて体は無事だったんだけど、あの時俺も後ろに倒れたわけよ」
「うん」
「だから見てくれよ、これ」
そう言って制服のスボンのポケットから山田が取り出したのはバッキバキに画面の割れたスマホだった。
「後ろのポケットに入れたからこのザマだよ」
「うわぁ…、ごめん」
「別に椎葉のせいじゃないけど」
気の毒なくらいヒビだらけで、とてもじゃないけど使えそうになかった。
「はぁー…、新しいの買うかなー」
長めのタメ息をついた山田。
さすがにそれを弁償するお金は私にはない、未来の山田は私にスマホを買ってくれたけど。
だからこんなことしか言えないんだけど。
「スマホ新しくするなら…、お揃いにする?」
「え?」
瞳をぱちくりさせた山田は不思議そうだった。
急に恥ずかしくなった、なんでそんなこと言っちゃったんだろうって。
だって今の流れ変だ!
まるで一緒がいいみたいな!
いや、そう思ったから言ったんだけど…っ
「マジ?いいの?」
「え?」
「その機種いいな~って思ってたんだ!さっそく機種変行こうかな~!」
………よかったみたい。
“だって使えるし、気に入ってるからなこれ”
私もそうなるよ。
三次元カメラ付きスマホは私が手に入れるにはまだまだ先になりそうだよ。