タイムスリップ・キス
山田が帰ってくる前に家に戻った。

夕飯の支度ぐらいした方がいいのかなと迷っていた夕方7時過ぎ、仕事を終えた山田が帰って来た。左手にはコンビニの袋、右肩には何か担いで落とさないようにゆっくり部屋に入って来た。

「それどうしたんですか!?」

「布団、先輩に借りてきた。これで今日の夜から余裕だわ!」

私がベッド使っちゃってるから、床で寝られるように布団を…

って、山田って実はめちゃくちゃピュアなのかな?

何の疑いもせず受け入れてくれてるけど、身元不明の女子高生と2人暮らしに順応し始めてるのシンプルにすごい。

どうにかなっちゃうんじゃないかと思っていた私の心配より、この先山田が高いツボでも買わされる日が来るんじゃないかって心配のが高まった。

「あと弁当買って来たから、食おうぜ!」

せめて山田が逮捕されるようなことにならないよう気を付けよう、これ以上山田に迷惑かからないように。
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