タイムスリップ・キス
Time10.キッカケ)
今日は朝の占いが2位だった、嬉しい。
つい鼻歌口ずさんじゃうぐらい。
「…晴、なんかあった?」
「え!?何もないけど!」
「いや、お前わかりやすいから絶対なんかあったろ」
「星座占い2位だったから!」
「1位で喜べよ!」
山田の仕事が休みだった。
だから今日は学校を見に来た。
私の通ってる高校であり通ってた高校、タイムスリップした場所の校舎裏を改めて確認するために。
勝手に伊織先輩といい感じだって思っちゃってるけど、過去の世界には帰らなきゃいけないし。
ずっとここにいるわけには…
私の願いは伊織先輩と小西先輩を別れさせて付き合うことだった。
すでに2人は別れてる。
じゃあ、あとは付き合えばー…
と思うけど、過去の私と未来の私どっちが付き合えばいいのか。
私の考えだと未来の私なんだけど(いや、過去の私でも全然いいけど付き合いたいけど元の願望としては)、未来の私はちっとも付き合う気がなさそうだった。
それでももし仮に未来の私と伊織先輩が付き合ったとして、私はその瞬間過去に戻るの?
5年後付き合えるからもういいやって?
それはなんだか…。
てゆーかそれだと…
「ん?」
チラッと隣を見る。
「ううん、なんでもない」
山田はどうなるの?
そんなの後味悪いじゃん。
山田はこんなに良くしてくれるのに。
今日だって少しでも手掛かりが見付かればと思って、見に行こうと山田が提案してくれたんだから。
さすがに不法侵入はマズいから山田が修理の際気になるところがあったから再度点検したいって名目で来たけど、それバレたらやばいのは山田なんじゃないの…?と思いながら、バイトのフリをしてあとをついて校舎裏までやって来た。
あの日、山田は校舎裏のトイレの水漏れの修理に来てたらしい。
あの時あの場に山田がいなかったら…、私はどうなってたのかな。
「別に変わったところはなさそうだよなー」
「特に…変なとこはないよね」
「タイムスリップの名所とかじゃないよな」
「は、何それ」
土曜日のお昼前、部活に来ている高校生たちがいたけどここは静かだった。
キョロキョロと辺りを見渡しながら歩いてみたけど、怪しいとこはなくてどこを見たらいいのかもよくわからなかった。
「その、タイムスリップした日のこと覚えてないねぇの?」
「え?」
「キッカケぐらいなんかあるだろ?」
「キッカケ?」
ゆっくり周りを見て考えてみる。
何があったんだっけ、あの日…?
「伊織先輩と小西先輩を別れさせるために未来に来たいと願ったとして」
「うん」
「それだけじゃこんなこと起こるって考えにくいと思うんだけど」
それは山田の言う通りだとは思う。
願うだけで来れるんだったらみんな簡単に未来に来てるよね。
他に何か、キッカケになる何かー…
「そう例えば、屋上から飛び降りたとか」
「いくら失恋でも身投げはしないから私」
でも考えてみても、ここで山田に愚痴ってたぐらいしか浮かんで来ないんだよね。
下駄箱で伊織先輩と小西先輩に会うのが嫌で、わざわざこんな遠い校舎裏まで時間潰しに来てただけだから。
「よし、じゃあ再現してみようぜ!何かわかるかもしれねぇから!」
つい鼻歌口ずさんじゃうぐらい。
「…晴、なんかあった?」
「え!?何もないけど!」
「いや、お前わかりやすいから絶対なんかあったろ」
「星座占い2位だったから!」
「1位で喜べよ!」
山田の仕事が休みだった。
だから今日は学校を見に来た。
私の通ってる高校であり通ってた高校、タイムスリップした場所の校舎裏を改めて確認するために。
勝手に伊織先輩といい感じだって思っちゃってるけど、過去の世界には帰らなきゃいけないし。
ずっとここにいるわけには…
私の願いは伊織先輩と小西先輩を別れさせて付き合うことだった。
すでに2人は別れてる。
じゃあ、あとは付き合えばー…
と思うけど、過去の私と未来の私どっちが付き合えばいいのか。
私の考えだと未来の私なんだけど(いや、過去の私でも全然いいけど付き合いたいけど元の願望としては)、未来の私はちっとも付き合う気がなさそうだった。
それでももし仮に未来の私と伊織先輩が付き合ったとして、私はその瞬間過去に戻るの?
5年後付き合えるからもういいやって?
それはなんだか…。
てゆーかそれだと…
「ん?」
チラッと隣を見る。
「ううん、なんでもない」
山田はどうなるの?
そんなの後味悪いじゃん。
山田はこんなに良くしてくれるのに。
今日だって少しでも手掛かりが見付かればと思って、見に行こうと山田が提案してくれたんだから。
さすがに不法侵入はマズいから山田が修理の際気になるところがあったから再度点検したいって名目で来たけど、それバレたらやばいのは山田なんじゃないの…?と思いながら、バイトのフリをしてあとをついて校舎裏までやって来た。
あの日、山田は校舎裏のトイレの水漏れの修理に来てたらしい。
あの時あの場に山田がいなかったら…、私はどうなってたのかな。
「別に変わったところはなさそうだよなー」
「特に…変なとこはないよね」
「タイムスリップの名所とかじゃないよな」
「は、何それ」
土曜日のお昼前、部活に来ている高校生たちがいたけどここは静かだった。
キョロキョロと辺りを見渡しながら歩いてみたけど、怪しいとこはなくてどこを見たらいいのかもよくわからなかった。
「その、タイムスリップした日のこと覚えてないねぇの?」
「え?」
「キッカケぐらいなんかあるだろ?」
「キッカケ?」
ゆっくり周りを見て考えてみる。
何があったんだっけ、あの日…?
「伊織先輩と小西先輩を別れさせるために未来に来たいと願ったとして」
「うん」
「それだけじゃこんなこと起こるって考えにくいと思うんだけど」
それは山田の言う通りだとは思う。
願うだけで来れるんだったらみんな簡単に未来に来てるよね。
他に何か、キッカケになる何かー…
「そう例えば、屋上から飛び降りたとか」
「いくら失恋でも身投げはしないから私」
でも考えてみても、ここで山田に愚痴ってたぐらいしか浮かんで来ないんだよね。
下駄箱で伊織先輩と小西先輩に会うのが嫌で、わざわざこんな遠い校舎裏まで時間潰しに来てただけだから。
「よし、じゃあ再現してみようぜ!何かわかるかもしれねぇから!」