タイムスリップ・キス
なんだか悔しくて。

1番私の気持ちがわかるはずの未来(あっち)の私がわかってくれない事とか、山田が先に心配したのが未来(あっち)の私だった事とか、突然1人になった気分だった。

そう思ったら全部が見えなくなって、目の前がぐちゃぐちゃで、ただやみくもに走っていた。

ハァハァと息を吐きながら、鼻をすする音さえも気にならないぐらい、とにかく無我夢中で走っていた。


会いたい。


それだけ思いながら。

私の中にはずっと、それしかなかったんだから。

未来へ来た理由も、今走ってる理由も、この溢れ出そうになる想いも。

涙を拭きながらFlorist of dwarfs(フローリストオブドゥウォーフズ)まで走った。
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