きみと繋げた雪明かり

認識




時は流れて2週間後。


あれから特になにもなく、いざ迎えた立番の日。


「おはようございます。生徒会です」

「おはようございます…」


はきはきとした岬木くんの声の後に続くへろへろな私の小さい声。


何故か当日は雨で視界は狭まるし、傘は邪魔だし本当に運がない。


それに、私は大声を出したりするのも苦手だからこういうのもそんなに得意ではない。


人も多いし、正直言って結構限界である。


「岬木くん、おはようっ!」

「きゃ〜!岬木先輩だ…っ!」


岬木くんの近くにいるだけでこんな声が結構な頻度で聞こえてくるもんだから、


彼はいつもどんな世界で生きているのだろう。


「星野さん、大丈夫?体調悪いとか…」


「いや、全然大丈夫。むしろ元気…」


…だったらいいんだけど。


私の小さな呟きは声になることもなく喉の奥に消えていく。


「あ、星野さん。肩のところ、濡れてる…」


岬木くんにいわれて気づいたけれど、肩の方が傘からはみ出していて濡れていた。


あ…、やっちゃった…濡れてると気持ち悪いし、はやく乾くといいけど…



なんてどんよりした気持ちになっていると、


「ごめんね、ちょっと触るよ」


なんて岬木くんが私の肩にタオルをあててきた。


ちょちょちょちょ…!


拭いて下さるのは大変ありがたいんですけど、少し距離が…!
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