きみと繋げた雪明かり
「星野さん……?」
「ごめっ、ちょっと私帰るね…」
「え……って星野さん…!?」
岬木くんが私を呼んでいる声なんて気にせずに精一杯に走る。
周りの声が全て私を責める声がして、さらに気分が悪くなる。
許して、お願いだから…っ
そして、ごめん。岬木くん。
…お願いだから、追いかけないで。
「っ、はぁ、はぁ……」
しばらく走っていると、人気のない路地裏に来ていたみたいで、自然と気味が悪くなる。
た、倒れそう……目眩が…
急に意識が遠のきかけて、すぐそばの電柱にぶつかりそうになったそのとき、
「……待って!!」
「……っ!」
……なんで。
こんな私だから、岬木くんをおいて先に帰っちゃう白状な奴、嫌いになったと思ったのに。
…透子さんにも「人殺し」って言われちゃったんだよ…?
……なのに、なんで。
「見てる感じ、君とあの人に何かあったんじゃない…?星野さんが何か一人で抱えてるなら、俺にも聞かせて欲しい……」
「ごめん、聞かせられない。私、岬木くんに嫌われたくないんだ…っ!」
嫌われたくない、これは本心。
何でだろう。生徒会の仲間だから?私が高校生になってできた数少ない男友達だから?