きみと繋げた雪明かり
同時に”叶わない”とも思ってしまった。
「……あはは。岬木くんって、本当にお人好しだね」
でも、そんなところが岬木くんのいいところだと思うよ。
誰にでも優しいところ。逆にそれが女の子に不評な時もある「勘違いさせないで」って。
……お互い両思いって思ってても、気づくのが遅すぎた。
「な、んでっ……!」
君のこと、じゃなくても私は好きになっちゃいけなかったのに。
この先、絶対恋愛なんてしないって思っていたのに。
……好きになっちゃった。それに、よりにもよって自分への思いをわかっちゃってる人に。
学園の、王子様に。
眩しくて、溶けそうだな…
「お人好しでもいい。一緒に持とうよ、星野さんが抱えてるもの。今じゃなくていい。俺が嫌いだったら無理に言わなくていいから」
本当優しすぎるよ。
優しすぎて、ときどき……苦しい。
恋って、もっとケーキみたいに甘いものだと思ってた。
少女漫画を読んでいたときも、そんな描写がほとんどで。
だけど、わかっちゃった。
——恋ってこんなに辛くてコーヒーみたいに苦いんだ…