きみと繋げた雪明かり
side 岬木
今日は日曜だからか夜でも都会の方は結構な人がいて、飲み会だったりカップルだったりとで賑わっていた。
その人たちを見ては「人生楽しそうだな」と思ってしまう。
今日、昼の方は結構楽しかったと思うけど、やっぱり引っかかるのは夕方だ。
あの、星野さんが呼んでいた「透子」と言う人物。
星野さんにぶつかったと思ったら、急に人殺しがなんだの、可哀想とか言われて正直気分は悪かったけど、
なにも否定しないってことは星野さんとあの人は昔だと思うけど、なにかあったということ。
あの人と出会った瞬間、星野さんの顔色は見たこともないくらいひどくなっていったし、俺をおいてどこかへ行ってしまうほどだ。
それに……星野さん泣いてたし。
流石に泣いている人を見て興奮するほど俺はひねくれてないけど、
顔に溢れてる涙を見て、星野さんには悪いけどふと、綺麗って思ってしまった。
……最低なのかな、俺。