きみと繋げた雪明かり
思うと、結構星野さんって繊細なのかもしれない。
映画でも、主人公の女の子がヒーローと仲良くしているのに嫉妬して軽くいじめられる…みたいなシーンがあったけれど。
正直、辛そうだった。泣きそうな感じで。
それに、さっきだって自分の心につけられた傷だけじゃなくて、俺の心配もしてくれたり。
軽く世間話をするときも、あっちから話を広げてくれるときはあっても、少し焦ってるというか、つまらせないようにしていた気がする。
これは俺の勝手な推測だけど、過去に人間関係で何かあったのかなって思ってた。
そして、それが今日推測から確信に変わった気もする。
正直、星野さんが苦しんでいる姿を見るのは俺も辛い。本当に苦しそうだから。
……それに俺は、星野さんのこと好きだから。
夜の道を歩きながら、一人で今日のことを考えていると、ポケットに入れていた携帯が突如震えた。
誰……?こんな時に。
少し複雑な気持ちで携帯の画面を見ると、そこに表示されていたのは「翔」という文字。
「……もしもし、どうしたの」
「あっ、光?どうだった確かお前今日夜宵ちゃんと……てかなんかお前声暗くね?」