きみと繋げた雪明かり




でも、こんな見るからにやばそうな重い話は関わるのはごめん。って思って避けてきたはず。




…恋の力ってすごいなぁ、ってつくづく実感するほどだ。




気になるから知りたいと思える。やったことないことにも挑戦できる。



多分星野さんのことを好きにならなかったら多分、もっとつまらなくて平坦な人生を送っていたと思う。



優しいね、とか言われて「そんなことないよ」とかヘラヘラ笑いながら言ってるだけのつまらない人間。



でも、俺がここまで変われたのは間違いなく彼女がいたから。



……だから、その分俺が彼女の力になりたいって思うのはおかしいことかな。



昔、彼女が俺にしてくれたくらいの恩を返せるくらいの存在になりたい。


俺って信用ないかなって一人で落ち込むこともあるけど、無ければ作ってもらえるように頑張るだけだ。



「俺って結構めんどくさい男だな…」



住宅街のほうの通りに出てきて、誰もいない夜道に俺の声だけが溶けていく。



今更って感じもあるけど、そういえば自分ってこういう人間だった。



……頑張ろう、彼女の笑顔が戻るために。



そう思いながら家までの道を小走りで進んだ。

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