きみと繋げた雪明かり
「星野さん、俺たちもそろそろ戻ろっか。朝早いのにありがとう」
「い、いや。こちらこそ。私の方こそそんなに役に立ててないけど」
「そんなことないよ。ちゃんと呼びかけられてたし、俺の方こそ見習わなくっちゃ」
岬木くん、努力家なんだなぁ…
彼が大体なんでも出来るのも、彼自身が努力を怠らなかったからなんだろうなぁ…
それに比べて私は、
——あの日からなにも変われてない。
むしろ退化してる。根暗で地味な星野夜宵は変わってない。
岬木くんと一緒に廊下を歩いている間にも、色々なことを考えてしまう。
……なんで岬木くんはこんな私を選んでくれたんだろう。
真面目だから?いうこと聞きそうだから?同情?
色々な疑問が浮き上がるが、どれもしっくりこない。
真面目っぽいとは言われるけれど、実際そんなだしね…
他愛もないことを考えながら教室に入って自分の席に座る。
教室に入った彼はもう誰かに話しかけられていて、もう違う世界の人みたいだ。
……まあ、生きる世界が違うってのもしょうがないと思うけど。
そんな人と話せたら関われただけでも幸運と思っておこう…!