きみと繋げた雪明かり



凛子のお姉さん——透子さんも、ちょっと出会い方はよくなかったかもしれないけれど、この前会えた。



透子さんには透子なりの正義がある。そうわかっていたつもりだけれど、本音は結構辛かった。



でも、きっとそれは凛子が大好きだから。



「愛されてるんだなぁ…」



ボソッと思っていたことを漏らしてしまう。本当のことだから、別にいいのだけれど。


凛子は小学生の時、クラスの中では収まらず、学年中に人気な子だった。



バレンタインなんか、同性の女の子から鞄に入らないほどのチョコレートをもらっていたから、誰にでも好かれる性格。


黒くて艶があったサラサラな髪、白い肌、数えきれないほど整ったパーツが揃った愛らしい顔。


どこを切り取っていても完璧だった凛子と仲良くなれたのも、今思えば奇跡だったのかもしれない。


…でも、なんであんなことになってしまったのだろうか。


最初は単純な中学生の嫉妬心だったはず。それがまさかあそこまでエスカレートするなんて。


当時のことを思い出して、だんだんと目の前が歪んでいく。


「……そろそろ行くか」


ここにいるのもなんだかしんどくなってきてしまって、少しその場から離れることにした。
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