きみと繋げた雪明かり
「……学校休んでわざわざ来てくれたんだ」
「一応友達だったので…」
「そうやってなにも思ってなさそうなところ、本当にむかつく」
「………」
吐き捨てるように言う透子さんだけれど、ただのやつあたりなんじゃないかと思うくらい私のことが嫌いなのか。
でも、私もそう言われてしまってもおかしくないことをしてしまったかもしれないから、なにも言えなかった。
「…まあいいや。そういえば、夜宵ちゃんのところはもうすぐ文化祭か」
「そうですけど、なにか…」
「いやぁ?懐かしいなってことよ。あたしも生徒だったしね」
急に文化祭の話をしてきてなんなのか、と思ったけれど彼女はただ単に私と思い出話をしたいだけだとは思えなかった。
こんなところでばったり会っただけでこんな久々に再会した友達みたいな世間話をするとは思えない。
「……あはは、そんな怖い顔しないでよ」
「そんなことは……」
透子さんに注意され、はっと顔を緩めさせる。
意図を読むことに集中していたのか、どうやら私はこわばった顔つきをしていたらしい。
「あの彼氏くんと一緒にまわるの?いいねぇ、あれをほっぽかして自分は青春しよう、みたいな」
「…そもそも、彼氏じゃないです。それに、私はあの件の——」
「ふーん……付き合ってないの?まあ、受け入れてくれるわけないよね」