きみと繋げた雪明かり
「俺にも嫉妬?ほんと、こいつが王子様ってまじ?」
「それは関係ないだろ…」
杉田くんに揶揄われながらもこちらに向かってくれる岬木くん。
…私の机の前に集まる人ってあんまりいないから新鮮だな。
「岬木くん、どうしたの?」
「いや、別に…翔がいたから…」
少し都合が悪そうにそう言う岬木くんは杉田くんに用があったみたいで、さっきから杉田くんのほうをチラチラと見ている。
私、邪魔だったかな…
「絶対嘘だろ、多分こいつ、夜宵ちゃんと話したくて——」
「翔、うるさい」
「はーい」
普段落ち着いている岬木くんがこんなに取り乱してるなんて見たことがないからすごく新鮮で、なんだかおもしろい。
岬木くんもやっぱり私たちと同じなのかな。
そういう意味では杉田くんはまだ手の届く方かもしれないけれど。
「ま、そろそろ戻ったほうがいいんじゃね?授業始まるし、王子様〜?」
「やめて、その名前で呼ぶな」
岬木くんをここまで取り乱せるとは……杉田くん、恐るべし。
まあ、いつもはクラスでは目立たないランキング1位といっても過言でもない私だけど、
こんな日も、たまにはいいかな……?