きみと繋げた雪明かり
「あたしさ、これでも昔は恋愛相談とか受けてけてたんだよ?三角関係で悩んでるーとか、失恋した子とかの慰めとか」
「そ、そうなんですか」
「うん、だから夜宵ちゃんが恋をしたなら色々と話くらい聞いてあげたかったよ?あれがなければね」
「…………」
だんだんと体が冷えていくのは風が強くなってきたからなのか。それとも、嫌なことしか思い出さないからなのかどっちなんだろう。
私が黙り込んでいると、吹いていた風が、一瞬勢いがあるものに変わった。
「……あたしは絶対許さないから」
「……っ」
さっきまで思い出話をしていたような透子さんの比較的明るい声色が、急に低く響くような声になった。
急激な変化に、さっきより体がだんだんと強張っていくのがわかる。
「凛子のことも、それからの日常も、家族も、ぜんぶ奪われた」
「…………」
「それで勝手にあんただけあのことをほっぽかしてハッピーエンドとかあるわけないよねぇ?」
透子さん、この間岬木くんと遊んでいる時に久々会ったけれど、最後にあったのは確か2年前。
目も得意なお化粧がとれるくらい泣いて腫れて、声が枯れるくらい泣いていて。
えりもつかまれた。「なんでなんでっ……」って、この透子さんとは比較できないくらいに。