きみと繋げた雪明かり
知り合いがいないクラスだと思ってたけど、意外にも幸先がよくて嬉しくなる。
私とは正反対な子だけど、仲良くなりたいと言う気持ちまでわいてきた。
「えっと……橘さんは…」
「凛子でいいよ!私も夜宵って呼ぶから!」
「わかった、り、凛子は○○小出身なんだよね?」
「そだよ!でも学区内のギリギリでさ、結構家遠いんだよ〜!」
「大変だね……」
彼女の家は結構遠いらしく、よく見てみると、表情が少し疲れているように見えた。
友達でさえ名前呼びをしたことがなかったから、なんだか新鮮な気分。
凛子、だなんて本当に友達になれたみたいでなんだか嬉しかった。
私たちがそうやって話していると、どこからか「あっ、いた!」と高めの声が聞こえた。
「ちょっと!先行ってるなら教えてよ〜!クラスも別々だし、探すの大変だったんだよ?」
「ごめーん!美月!」
「まったく……」
彼女の友達らしき人が、机の周りに群がった話している。
たち……凛子ってもしかすると、結構人気者っていうか。友達が多いかもしれない。
明るい笑顔で相手を不快にさせないであろう語彙力。
目の前の凛子のコミュ力に驚いていると「じゃあね!」と話が終わったらしく、凛子がこちらをじっと見つめてきた。