きみと繋げた雪明かり
「強制、かなぁ……?なーんて、夜宵だったら絶対に来させるよね」
「……うん、全部じゃなくていいから、話したいし、聞かせてほしい」
「……うん、わかった」
凛子はあまり気分が乗らないようだけど、なんとか着てもらえることになった。
そして、なにも要件を言わされてないのにこの雰囲気ということは、やっぱり凛子は自覚しているんだ。
なにを聞かされるのか怖い。だけど、
凛子がこれ以上傷つけられるのは絶対に嫌だ。
私だけではちっぽけだ。でも、向き合いたい。知りたい。
複雑な思いを抱えながら、私たちは教科書を片付けて、お昼の準備をした。
***
「……あのさ、さっちゃん…友達から、聞いちゃったんだよ。凛子が、その、いじめられてるって」
中庭には、私たち以外誰もいなくてなんだか少し怖い。
誰もいなくて、秘密ごとには丁度いいから私が呼んだのに、今となっては少し後悔もしている。
私が凛子に友達から聞いたことを話せば凛子は少し深呼吸してから、嘘くさい笑みを浮かべた。
「……あはは、夜宵には全部わかっちゃうんだ。でも、本当にお遊びみたいな感じだよ?ほら、あるじゃん。いじられキャラ〜みたいな」
「……上靴を捨てられるのはお遊びじゃないと思う」
「夜宵は一体どこまで聞いたんだ〜…」