きみと繋げた雪明かり
軽く、項垂れる感じで彼女がベンチに後ろ向きに手をついた。
「…いつからなの?」
「……一番最初は二ヶ月くらい前かな?そこはうざい、とか注意されただけだったんだけど」
二ヶ月前。胸にずっしりと突き刺さった。まさかそんな前からなんて。気づかなかった自分に腹が立つ。
凛子は笑みを崩さないまま話を続ける。
「…いろんな子から大丈夫って言われた。でも、なんだか本当のことは言えなかった。ほら、私ってどちらかと言うと雰囲気か暗い感じではないでしょ?ネガティブになっちゃうと、余計に攻撃されちゃう気がして」
「…………」
なんだか、聞いてるこちら側もつらかった。いつも明るい凛子が自分のことで悩んでいるのを聞いて胸が痛む。
「絶対弱いところは見せない!いつも通りに装わなきゃ!って気を張ってたんだけどさ、結局夜宵にはバレちゃったね」
「凛子のこと、話してくれるなら知りたい。これでもクラス委員なんだから」
「うん、ありがとう。じゃあさ、夜宵にだから言えるんだけど……」
彼女はそう言った後、一瞬言うのを戸惑ったみたいで言葉を詰まらせたけれど、すぐに深呼吸をして話した。