きみと繋げた雪明かり
「凛子はネガティブに見せたくないって思うかもしれないけど、全部笑えるなんて人いないよ。人間だから。全部抱え込む必要なんてない」
凛子も普通の人間、神様なんかじゃない。
たまには弱音を見せてほしい、誰でもいいから。私でも先生でも他の友達でも家族でも。
私がそう話をすると、急に私の話を聞いていた凛子が「あははっ!」と作り笑いじゃなさそうな笑顔で笑い出した。
「えっ?今の話、面白い要素あったっけ」
「いやいやいやっ、例え王子様って!「こんなやつと結婚したくないわ」って!!普通は芸能人とか現実にいる人かと!」
「うー……、語彙力ないから許してよ…!完璧そうな人間ってそれしか思い浮かばなかったんだって…!!」
本当に秒で考えた想像だから、トンチンカンなのは許してほしい。私はカウンセリングとか、相談とか受け付けたことなんてなかったし。
私がどの人にすればよかったんだろう…と考え直していると、凛子がニコッと笑ってこっちを見つめてきた。
「でもさ、ありがとう。夜宵の言葉、すごくうれしい」
「そう思ってくれたのならよかったけど……」
「だいぶ元気つけられたよ!……あと、お願いなんだけど。また、ここでたまに話聞いてもらっていい……?」
凛子が不安そうな顔で私を覗き込みながら聞いてきた。
そんなの、OKに決まっている。不安そうな顔をする必要なんて全然無い。
「もちろんだよ。いつでも、なんならメッセージしてくれたら夜でも返すよ?」
「ありがとう……」
真剣に、これからは携帯をよく見ておこうと思った。夜は本とかを読んでいる時間が多いから、たまに通知に朝まで気づかないのだ。
そして、それからチャイムが鳴りそうだったから教室に慌てて戻った。だけど、
その時の私は、このときの事態をすごく軽く捉えていたんだ。