きみと繋げた雪明かり
なすりつけ
「りーんこちゃん!」
「あ、天見先輩……」
凛子とお昼を食べている間に、急に軽めの声が聞こえたと思ったら、扉に学ランを着た、ひとりの先輩らしき人が立っていた。
よく見ると、顔立ちも整っていて背も高い。それに、どこかで見たことのあるような……
必死に以前の記憶を手繰り寄せる。
『バスケ部の先輩のハートをいとめちゃったって!』
思い出したのは、この前遊びに行った友達の一言。
…そうだ、この人。バスケ部の先輩だ。前、会話に出てきたからどんな人だろうって体育館に一回行ったんだった。
そのときも、コート全体のところからきゃー!と女の子たちの歓声が響いていたし、あの子の言う通り女の子たちに人気があるのだろう。
思ったのだけれど、なんだか凛子は先輩に呼ばれることをあまりよく思ってなさそうだ。
思い出すと、確かさっちゃんに「先輩と仲良くしてるから、一部の女子の反感を買っている」……みたいな感じに言われていたような。
おそらく、凛子はこれ以上、その一部の女の子たちになにも言われたく無いから気が乗らなく、行きたく無いのだろう。
たしかに、嫌なことをされるんだったら行きたくない、というのはわかるかもしれない。