きみと繋げた雪明かり
少しだけ、歩いていると急にばん!と扉になにかが押しつけられた音が聞こえた。
ここは静かだから音がだいぶ響く。
なにかトラブルだったら悪いため、その音の正体の場所に行くと、人のいない空き教室だった。
こんなところでなに?と疑問に思いながら窓を覗くと、衝撃の光景が見えた。
「——ほんっとになんなんだよ!!あれだけ言ったよな?お前何様?」
「……っ」
中では3人ほどの女子生徒がバケツなど掃除用具を見慣れた女子、凛子に投げつけていた。
教室の中は荒れていて、よく見てみると、バケツにもヒビが入っていたりととにかく酷かった。
「まじでむかつく。友達の前では本性曝け出して、先輩の前だったらニコニコとぶりっ子しやがって!!!」
「ぶ、ぶりっ子とかっ……!!」
「は?あれでしてないとか言うかんじ?性格わるっ」
凛子は抵抗しようとしているけど、数で勝てるはずもなく教室の隅に追いやられて物を投げられたりそれで叩かれたりしている。
なに、あれ……
初めて見る、本当の”いじめ”も言う現場に立たされて体が何も動かない。