きみと繋げた雪明かり
「…うん、本当にごめん。こんなことに巻き込んで。わたしは先に帰るよ」
「りん——」
「ごめん、1人にさせて」
凛子はそう言って、一人でガラガラと教室の扉を開けて出て行った。
***
「……メッセージ?」
その日の夜、いつも通り家で本を読んでいるとピロンと携帯の通知音がなった。そういえば通知をオンにしていたような気がする。
誰からか見てみようと、電源ボタンを押して、ホーム画面を立ち上げる。
【新着メッセージがあります】と書かれていたところに『橘凛子』と書いてあった。
見ると、このメッセージは凛子から送られてきた物だと言うことがわかり、慌てて内容を確認する。
『ごめん!今日変な態度しちゃってm(._.)m
あれから色々考えてたら落ち着いてきた!それでさ、明日、一緒に学校行かない?○○公園に待ち合わせでさ!』
文面はいつもの凛子と変わらない。この独特な顔文字も通常運転だ。
今日、教室を出ていくときはかなり様子がいつもと違っていたから不安だったけど、ひとまず安心だ。
ほっとして、忘れないうちにそのメッセージに返信する。
『こっちこそ、偉そうな態度だったよね……
明日は全然いいよ!じゃあいつもの時間に○○公園で!遅刻は厳禁だよ?(笑)』
これを送ると、一分もしないうちに『了解!』と書かれた可愛い動物のスタンプが送られてきた。
とりあえず、大丈夫そう。なのかな…?
ひとまず最悪な事態は回避できそうで胸を撫で下ろす。
すると、急に強烈な眠気が襲ってきたので、そのまま本を広げたまま寝てしまった。