きみと繋げた雪明かり
「って、ごめん!!急に触られて気持ち悪かったよね!?」
「いやいや、こちらこそ!!心配させてごめん」
側からみたら、ただお互いを見て謝罪している男女。という大変謎な現場なのだろう。
しばらく誤っていると、監督らしき生徒が「んじゃ、もう一回通すよー」と指示を始めた。
「…が、頑張ってね。私はこれで…」
「あ、ちょっと待って」
これ以上ここにいるのもなぜか気まずく、早急に出て行こうとしたら岬木くんに呼び止められた。
どうしたんだろう、と思いながら足を止める。
すると、岬木くんは口を私の耳元に寄せて小さな声で言った。
「……今日の生徒会終わったら、ちょっと残ってて欲しい」
今日の生徒会?と思ったけど、確か今日はなにも予定がなかったはず。
いくら気まずいと言ってもなんでも断るのはよくないと思って、了承してしまった。
「……うん、わかった」
「ありがとう、じゃあ、星野さんは総括頑張ってね」
星野くんに見守られながら教室を出た後、なにかあったかなと記憶を張り巡らす。
だけど、いくら考えてもなにか重要な案件はなかった気がする。
不思議に思いながら、私は教室まで足を動かした。