きみと繋げた雪明かり
「……決めるのは星野さんだから、正直でいいよ。君は俺のこと、どう思ってた?迷惑だった?」
「………」
一ヶ月後にまたこうなるってわかっていたはずなのに、いざ目の前にすると言葉がなくなってしまった。
私は岬木が好き。イエスに決まっている。本当ならここで「私も好き」って言いたかった。気持ちを伝えたかった。
……でも、私は…
『先輩にだけぶりっ子になりやがって!!調子乗りすぎなんだよ!』
『何なってんだよ、色目使いやがって』
頭の中に流れてくる過去の言葉。
これを言われていたのは凛子だ。でも、私はその場面を目の当たりにしている。
凛子を好きだったのはバスケ部の校内でも大人気の男の先輩。人は違うけれど、学校中から大人気、というところは一致している。
人は違うけれど、もし私のせいで岬木くんの評判が下がったら。そう考えると言葉が詰まってしまった。
凛子はどういう気持ちだったんだろう。
してないのに、「色目を使ってる」とかのことを言われて。
私は以前に岬木くんのことで軽い嫌がらせを受けている。そのときは岬木くんが助けてくれたけど、付き合うとなったらまた別だ。
「岬木くん、あの地味女子と付き合ったらしいよ」なんて言われてしまったらどうしよう。もし嫌がらせとかが岬木くんにまできてしまったら。