きみと繋げた雪明かり
その微笑みが本当に姫ことを愛おしそうに見ているみたいで、心が痛む。
……ダメ。自分から突き放したのに。
心の中で自制するけど、やっぱり姫…涼木さんに羨ましさとモヤモヤする嫉妬心が湧いてきてしまう。
出来るだけ、二人が密着するシーンは見ないように、台本に視線を動かす。
それに、最後にキスシーンなんてあまり気分は良くならないものだ。
***
「めっちゃよかった…!!絶対成功するよコレ!!」
「あはは……そうだと嬉しいな。涼木さんも、本番頑張ろうね」
うん、と涼木さんが可愛らしく微笑む。
今日から衣装をきて、本格的に練習するらしく、普通なら浮きそうな見た目も岬木くんならキマっていて、本当の王子様に見える。
涼木さんも、私には絶対似合わないような美しく透明感があるフリルがあしらわれたドレスをよく着こなしている。
すると、ビデオを確認しようと涼木さんと岬木くんがこちらに向かって歩いてきた。
横に並んで歩く二人は本当に御伽噺から出てきたお姫様と王子様のようで、思わず見惚れてしまう。
ふと、このまま歩いていると、進行方向的に私にぶつかっちゃうな。と思い端に移動しようとすると。