きみと繋げた雪明かり
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それにしても、やっぱり二人は絵になる。本当に絵本を読んでいるみたいに。
今は第二場面の途中で王子様がもうすぐ登場する、と言うシーンだ。
今は姫と魔法使いが舞台に出ていて、涼木さんが透き通った声で魔法使いに聞いている。
「…私、本当は行きたいんです。でも、お姉さまたちが許してくださらなくて……」
私も初めて涼木さんの演技を見た時は少女のような繊細で美しいしい演技に没頭してしまっていた。
それほどすごい、涼木さんは。
しばらくして、岬木くんの出番がやってきた。
「…あなた、私と一緒に踊ってくださらないですか?」
岬木くんがセリフを言いながら登場してきた時、会場からおおっ、と感嘆の声が聞こえたのを聞き逃さなかった。
やっぱり、涼木さんの岬木くんのペアは受けがいい。美男美女というだけではなく、なにか別に人を惹きつける能力がある。
私もたまに管理を忘れて二人の演技の世界に飲み込まれてしまいそうだった。
そして、あのシーンはやってくる。
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「私だあの姫になってください。……君を、愛しています」
「王子様、私もあなたのことを愛しております……」
そう言って重なった……ように見える唇。
会場は一瞬言葉が途絶えた後、フィナーレを迎え、壁が壊れそうなほどの拍手が舞い上がった。