きみと繋げた雪明かり
自分の体が中に浮いて段々と落ちている、その中自分が突き飛ばされたと言うことがわかった。
屋上に続く階段は長くて急だ。もし頭打ったら……打ちどころが悪かったら最悪死ぬだろう。
「…っ、岬木くんっ!!!」
咄嗟に愛しい人の名前が出てきて、叫んでしまった。こんなところにいるはずがないのに。
私の体は重力に逆らうことななく、下に突き落とされていく。
ぶつけるっ……!と思って目をつぶったけれど、いつまで経っても痛みが来ることはなかった。
……な、んで……?
うっすらと目を開けると、そこには愛しい人が私を抱えていた。
「岬木くん……!?」
「星野さん、大丈夫……」
なんで、と一瞬思って口をパクパクと動かす。
「探してた。星野さんがいたらあいなって思って。そしたら星野さんの話し声が聞こえたと思ったら、なんか突き飛ばされてるし…」
驚いた。まさか、岬木くんが私のことを探していたとは思えなくて。
岬木くんは抱えていた私を下ろしてから、私の方を見つめた。
「……ごめんね。もう関わりたくないって言われたのに諦められなくて」
岬木くんがそう言って悲しそうな笑みを浮かべる。