きみと繋げた雪明かり
「……残念なのはあんただよ」
「……は?」
岬木くんがそう言って避けると、彼は全ては手の上で踊らしたかのように「そろそろかな」と意味ありげな言葉を発した。
そろそろ……?
その言葉が気になって下をみる。すふと、下から意外な人物が顔を出した。
「……はぁ、ごめんね。夜宵ちゃん。そして光も。時間かかっちゃって」
「杉田くん……?」
驚きのあまり、声が漏れてしまった。
透子さんの方を見ていると、透子さんも予想外といった感じに杉田くんの方を見ている。
「翔くん……?」
いきなり、透子さんが杉田くんを下の名前で呼んだ。
透子さんが名前を呼んでびっくりしたけど、もしかして、杉田くんと透子さんは知り合いなのだろうか。
杉田くんは一呼吸おいたあと、「ねぇ」と透子さんの近くにいった。
「……もうやめようよ。透子さん、こんなこと、凛子ちゃんは喜ばないよ」
「……だって、あの子は」
「夜宵ちゃんに怒ってるのかもしれない。でも、それで人を傷つけるのは間違っている。あの子も悲しむよ」
杉田くんが悲痛な表情を透子さんに向ける。
まさか、いややっぱり。杉田くんは私たちのことを知っている。透子さんと仲がいいと言うことは透子さんから聞いたのだろうか。
……いやでも、凛子の名前を知っていたし。