きみと繋げた雪明かり
凛子がそういった後、透子さんはこっちの方に向かってきて、軽く頭を下げた。
「……ごめんなさい。あなたたちを傷つけて」
「いえ……」
いえ、といっても本当は私も傷つけられたから何も言えない。私を殺そうとしたことも事実だ。
透子さんは雰囲気に居た堪れなくなったのか、凛子に「また後で会いたい」と言った後に階段を駆け降りてしまった。
透子さんがいなくなった後、私は凛子の方に駆け寄った。
「凛子……?本当……」
「ほんとだって言ってるじゃーん!ごめんね。夜宵に嘘ついてた」
「嘘……?」
嘘、とはなんだろう。凛子の言葉に耳を傾ける。
「……わたしさ、本当は死んでないんだ。まあ、最初は死のうと思ってたけと、失敗した」
「失敗……?」
「うん、そのあとボロボロな状態で運ばれてお母さんたちが泣いて。そのままなら退院したらまた通えたんだけど通えなかった」
「怖くて、ならでも逃げたと思われたくなくて……その時はちょっと反抗期みたいなもので。私は死んだって伝えてくれるように頼んで私は引っ越した」
「………」
驚きが止まらない。まさか、死んだと言うのは凛子が自分を守るための嘘だったなんて、考え方がなかった。