きみと繋げた雪明かり


「…んじゃ!先に待ってるから!」


「えっ…!ちょっ…」


まさか、杉田くんまで出て行ってしまい、屋上前のところは私と岬木くんの二人になった。


思うと、とても気まずい。それにあんな酷いことを言ったのに岬木くんは私を受け入れてくれるだろうか。


一瞬出て行こうと思った。だけど、凛子も背中を押してくれた。


「……あのさ、岬木くん」


「うん、どうしたの?」


岬木くんは急かさず私の言葉をゆっくり待ってくれている。


やっぱり私はそのにこっと笑った岬木くんが好きだ。人間性も好きだけど。



「わ、私は……岬木くんのことがっ……」


そこで、言葉に詰まった。最後に”好き”という言葉を言うのにはこんなに勇気がいるなんて。


落ち着け、落ち着け。岬木くんは待ってくれている。ゆっくりでいいから。ちゃんと自分の気持ちを伝えるんだ。


…思えば、私は透子さんと会った時に岬木くんのことを好きになった。


二人で行ったショッピングモール。繁華街。今までの生徒会。一緒に夜空も見た。



思えば、私は初めて出会った時から、岬木光という人に惹かれていたのかもしれない。


最初はこんな私に話しかけてくれる人、って言う感じで本音を言うと少し怖かった。何か裏があるんじゃないかとって。


でも、付き合ううちに岬木くんのことが気になり出して、それがいつのまにか恋になっていた。
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