きみと繋げた雪明かり
ともえちゃん、杉田くん、凛子………そして透子さん。
いろんな人たちのおかげで私は一歩踏み出せた。
…だから、たまには私から行動に出さなきゃ。
もう手伝って見てるだけの傍観者は嫌だ。
「……岬木くんのことが」
言え、言わなきゃ。
怖くて岬木くんの顔も見えないだけど、今度は私から。
「……好きです」
「…うん、俺も星野さんの本音が聞けて嬉しい」
岬木くんの方をみると、優しい顔で私のほうを見つめていた。
すると、私の手をぎゅっと握って岬木くんも言った。
「……俺も星野さんのことが好き。一回振られても、諦められなかった」
「うんっ……」
気づいたら、大粒の涙が顔を伝っていた。
それほど嬉しくて、爽やかなのだろう。
「あはは……私たち、なんだかすごい遠回りをしちゃってた気がする」
「……うん、でもこれからはそれを感じさせないくらい星野さんの近くにいたい。そばにいさせてほしい」
「こっちのセリフだよっ……」
それから、二人でしばらく昔話とかを屋上でしてとても楽しかった。
そうだ、岬木くんはどうやら高校から私を知ったわけではなくて、なんと、中学時代に会っていたらしいのだ。
その時は今の私とちょっと違うから、なんだか恥ずかしいな。
いろんなこともあった。辛いことも楽しいことも。
…でも、これからはそれを岬木くんと一緒に乗り越えていきたい。彼がそう言ってくれた。
本当にこんな幸せでいいのだろうか。