きみと繋げた雪明かり


「岬木くん」


「ん?どうしたの?」



最初、任命式で急に副会長にされて不安だったけど。それがなかったら私は岬木くんと知り合うことはなかったのだろう。


本当に縁ってすごいものだ。



…だから、あそこで私の名前を呼んでくれた彼に、伝えたいことがある。



「……私を見つけてくれて、ありがとう」


これからも、ずっと彼と歩いて行きたい。


もう抱えない、迷わない。一人じゃないから。



「……うん」



それだけ言いたかった。見つけてくれて、ありがとう。


そして、凛子と杉田くんがもう見えないところまで行ってることを知りわたしたちもペースを早める。



「俺からも、ありがとう……」


岬木くんも優しく微笑んで言ってくれる。


「…それじゃ、行こっか」


「うん」


辛いことも、悲しいことも一人で抱える必要なんてなかった。


これからは岬木くんと分け合って行きたい。


だから、これからもよろしくね。



「ちょっと遅いよ!」


「ごめん!話が長くなっちゃって」



私たちの新しい日々はこれから始まる。



【終】
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