きみと繋げた雪明かり
「え、えっと…とりあえずこれをやったらもうしばらく大丈夫そうだから、静野くん、今日はありがとう」
「うん、こちらこそ詰め込みすぎないようにね」
岬木くんはそう言ってから荷物をまとめて作業をしていたファミレスから出て行った。
………はぁ、なんて1日だ。
岬木くんに自分の仕事を手伝わせるだけでもあれなのに、静野くんの純粋な心に踏み込んでしまった…
こんなの学校の人に知られたらきっと学校行けなくなるよ私。
少し机に突っ伏していたら、ふと時間が気になって見てみるともう夜の7時。
7時、そろそろ帰らなきゃな…
私も出してる教材や端末を片付けてお店を出た。
夜だけどここは繁華街のところだからまだ明るいほうだ。
でも、不良とかがいるから早めに帰れってお母さんにも言われてるしな…
そう思い、早足で自分の家に向かう。
繁華街を出るところにどこか見たことあるような人影が少しだけ見えた気がした。
ほんのりとした茶色の髪に高い身長。白い肌。
「っ……!?」
その姿を見た瞬間、自分の心臓がドクっ、と嫌な音を立てた。
……待って、あれは…
ありえない、なんでだ。
なんで”あの人”がこんなところに…