きみと繋げた雪明かり


「おかえり〜、遅かったじゃん」

「まあ、いろいろあって…」


絶対いじられるから詳細は教えたくない。


翔の言葉に何も言えずに自分たちの机に座る。


「…翔のほうこそ何してるの?」

「え?俺は従兄弟と…」


従兄弟と…なんだ。


周りの音がうるさくて聞こえなかったけど、おそらくメッセージアプリとかでやりとりをしてるんだと思う。



まあ、そんなことは置いといて、さっきのことだ。


この辺に住んでるのか、とかいくつ?とか聞きたかったけれどまあ無理だった。


ここら辺の人なら、また来たらいつかは会えるのかもしれない。


また会えたらいいのに、と思いながら俺は翔と他愛もない話を始めた。




***




「結局高校もお前と同じかよ」

「えー、昔からの仲じゃん。仲良くしよ?」


昔と全然変わらないヘラヘラとした笑顔でそう言う翔。


あの女の子との接点なんて持たなかった2年。あれこれしている間に高校生になってしまった。


まあ、ファミレスで一回会っただけだしそんなもんか…


あのファミレスではないけれども、あそこの近くの別店舗で来週あたりからバイトを始めるつもりだ。


あの子があそこら辺の人だったらもしかしたら来るかもしれないから。
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