きみと繋げた雪明かり
「先輩は、明日会長と遊びに行くんですよね?」
「あ、うん。そうだけど…」
なんもなく察してはいたけれど、やっぱりその話か。
でも、ともえちゃんはなにが聞きたいんだろう…?
「先輩たちいつのまにそんな関係に?まだ付き合ってないですよね?」
「う、うん。というか、あんな完璧人間と付き合うなんて思うだけでもおこがましいよ…」
どう見ても釣り合ってないし、そもそも好きじゃない。いい人だとは思っているけど。
それに、私は……
“絶対幸せになっちゃいけない”から。
あの人もそれを望んで無いと思う。
最近は体調も安定してきたと思っているけど、またあんな夢を見たり、あの人と会うかもしれないから。
まだ時効じゃない、というか来るはずがない。
「ま、月曜日、というか日曜日の夜事情聴取しますからね〜!」
「お手柔らかにお願いします…」
本当、この子は……油断できない。
まあ、とりあえず明日はともえちゃんやあのことを忘れて、せめて岬木くんの付き添い人として尽力することにしよう。
「あ、先輩!ちょっと明日会長にいって欲しいことがあるんですけど…」
そう言われて耳をともえちゃんの方に貸す。
………ちょっと待って、それは流石に…!
「無理無理無理無理!なんでっ…!」
「言わないと今日のもろもろの費用請求しようかな〜」
費用って……
もしかして豪邸ならではの訪問料…!?
うっ……ともえちゃん、悪魔だ…!