きみと繋げた雪明かり


そ、それはかなり過酷な幼少期をお過ごしで…


たしかに、自分のやりたくないことを無理やりやらされるのは辛いはずだから、静野くんの言うことにも納得できる。



「ちなみにその姉の愚痴とかの影響で、女子って怖いな、みたいな感じにもなっちゃって女の子も自然と避けるようになってたし」



「え?岬木くんって女子が苦手なの?」


「前まではね。今はまだましになったけど」



なんと、彼は女子が苦手だったのか。



それだったら今まで苦手なのに女子に笑顔で対応して来たかと思うとすごく尊敬する。


それで彼に悪い噂がつかないのもすごすぎるし。


ちゃんと相手に嫌な気持ちを感じ取らさせないようにするのは昔からして来たのだろうか。



「でも、星野さんは違うよ」



「え?」



「俺のことだってちゃんと一人の人間として見てくれるし、この前だって生徒会長でいいって励ましてくれた」



励ますって……私にその役目ができていたのならすごく嬉しい。



「それに、苦手だったらわざわざ姉を避けてまで誘わないから」



あ、そっか。でも、彼が少しでも私に信頼という気持ちを抱いてくれているのはなんだか嬉しくなる。
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