きみと繋げた雪明かり
***
「おいしかったね」
「うん、あっという間だった…!」
美味しいスイーツは食べられたし、星野くんの話も聞けたし、もうなんかとにかく最高だった。
なんだかまだ名残惜しい気もする。
「あのさ、まだ時間ある?」
「えっ……?あ、あるけど…」
そろそろ帰るのかな、と思っていたらふと静野くんに聞かれたけど……
まだなにかあるのかな……?
私が少し待っていると、岬木くんが少し悩んでいるような素振りを見せたけど……どうしたんだろう。
「ちょっと来て!」
「わっ……!」
大きな声でそう言われて、咄嗟に手を引かれる。
ちょっ、手が……!
手を握られることは初めてだから、静野くんはそんな気はないんだろうけど、緊張してしまう。
というか、どこに行くんだろう…
しばらく、繁華街の明るいところを少し小走りで移動した後、岬木くんの足が止まった。
「うん、ごめんね走らせて。ここだよ」
「はぁっ……、ここって…」
岬木くんに手を引かれて連れてこられた場所は海がよく見える位置にあるベンチだった。
夜の海って……怖いけど、儚くてなんだか美しい、かも?