きみと繋げた雪明かり
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「先輩……」
「…ともえちゃん?」
「はい!お久しぶりです。お元気でしたか…?」
ともえちゃんを見るのも、なんだか久しぶりだな…
次の授業の、ため一人で化学室に移動していると、ともえちゃんとすれ違った。
この様子からして、おそらくともえちゃんも例の件のことを知っているのだろうか。
「…うん、元気。ごめんね、次の時間もうすぐだから行かなきゃ」
「え?…あっ、先輩…!」
ともえちゃんのキラキラな瞳が今は何故か辛かったので、悪いけど早足でむかわしてもらうことにした。
「あ、ねえねえ光くーん!」
「席、隣に座ろ?」
ガラッと化学室の扉を開けた瞬間、静野くんの姿が目に飛び込んできてしまって、何故だか胸が痛んだ。
岬木くんの前には5人以上の女の子たちがいて、私が入る好きなんてないくらいだ。
近くを通るのもなんだか気まずいので、教室の隅を通って自分の班の席に座ろうとすると、
「…わっ!?」
「…あっ、ごめん!ぶつかっちゃった〜!」
いつも岬木くんの近くにいる子が私にぶつかってきてしまった。
一応謝ってはくれたけど、果たしてこれはわざとなのか意図的なのかな…
そういうことを考えるとなんとも言えない気分になってしまう。