きみと繋げた雪明かり


***


「先輩……」


「…ともえちゃん?」


「はい!お久しぶりです。お元気でしたか…?」



ともえちゃんを見るのも、なんだか久しぶりだな…



次の授業の、ため一人で化学室に移動していると、ともえちゃんとすれ違った。


この様子からして、おそらくともえちゃんも例の件のことを知っているのだろうか。



「…うん、元気。ごめんね、次の時間もうすぐだから行かなきゃ」


「え?…あっ、先輩…!」



ともえちゃんのキラキラな瞳が今は何故か辛かったので、悪いけど早足でむかわしてもらうことにした。




「あ、ねえねえ光くーん!」


「席、隣に座ろ?」


ガラッと化学室の扉を開けた瞬間、静野くんの姿が目に飛び込んできてしまって、何故だか胸が痛んだ。



岬木くんの前には5人以上の女の子たちがいて、私が入る好きなんてないくらいだ。



近くを通るのもなんだか気まずいので、教室の隅を通って自分の班の席に座ろうとすると、



「…わっ!?」


「…あっ、ごめん!ぶつかっちゃった〜!」



いつも岬木くんの近くにいる子が私にぶつかってきてしまった。


一応謝ってはくれたけど、果たしてこれはわざとなのか意図的なのかな…


そういうことを考えるとなんとも言えない気分になってしまう。
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