きみと繋げた雪明かり



***


「…夜宵ちゃん!」


「え?す、杉田くん……!?」



あれから、保健室に死にかけの状態で駆け込み、養護教諭の先生からすごく心配されるはめとなってしまった。



それはそうだよね、本来なら授業の時間帯に全身に水を被った女が保健室に入ってくるんだから。



毛布やタオルなどいろいろなものを貸してもらいなんだか申し訳ない。



多分ここに来なかったら死んでたと思うう。


そして、今。保健室に駆け込んでから30分ほどだった5限の終わりに杉田くんが保健室に入ってきた。



「……誰から?」


「え?誰からって……」



多分、杉田くんは水を被ってしまった私を心配してくれているのだろうけど、先生もほかに休んでいる生徒もいるし、ここで話すのは少し気まずい。



「あ、えっと……それは少し外で…」


「そ、そだよね。ごめん」



むしろわざわざ嫌がらせの標的されてる私に気遣ってくれるのは大変ありがたいし、すごく感動する。



替えの服には着替えているし、寒気も無くなってきたので先生の許可をとってから廊下に移動した。
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