きみと繋げた雪明かり
…なんとも言えない1日だった。
あれから7限だけ受けて帰ることにしたけど、多分今日が高校生活において一番波乱だったと思う。
「先輩、今日なんだか元気ないですけど…」
「そんなことないよ、大丈夫」
実はろうかを歩いている時、たまたま会ったともえちゃんと久しぶりに一緒に帰ることにした。
ほぼ当たり前のような者だけど、ともえちゃんにあんまり気にして欲しくなくて、今日の水ぶっかけ事件のことは言っていない。
……杉田くんみたいに、気にしちゃったらこっちも申し訳ないし。
昇降口を出て校門まで歩いていると、やっぱり目立つ、あの人がいた。
「星野さ……」
「ね〜!光くん!一緒に帰ろ?」
「えー!ずるーい!私も〜」
一瞬、私のことを読んだ気がするけれど、その場にいた女の子によってかき消されてしまった。
それに、岬木くんが私のことを読んだ瞬間、女の子たちに睨まれてしまったような。
…おまけに、『これ以上岬木くんに関わるな』みたいな圧を感じた気がした。
…そんな感じだったらのこのこと歩いてられるわけないじゃん。
岬木くんには申し訳ないけど、ともえちゃんを連れて急いで校門まで走る。
「わっ!ちょっと先輩…?」
「ごめん、ちょっと…」