きみと繋げた雪明かり


「はぁ、はぁ……先輩、本当にいいんですか?」


「えっ?」


「会長とあのままで。たしかに先輩たちに嫉妬して嫌がらせとかされてるのかもしれませんけど、これがきっかけで2人の仲が悪くなるなんて……」



校門を出て少し歩いているときに、ともえちゃんが思っていることを吐き出したのか、少し声に怒気がこもっている気もする。


ともえちゃんは拳をきゅっと強く握りしめて自分のことのように悔しがってくれている。



……本当に優しくて純粋な子だな。



「仲良くなりたいよ、でもできないんだ。私が関わっちゃうと静野くんにも迷惑になっちゃう」


「でも……」



今言ったことは本音だ。さっきの2人組にもほぼ同じことを言ったけど。


そしたらキレられたっけ。一応本音だったんだけど。



「…先輩、奢ります。パフェ食べに行きません」


「え?急に……」


「この悲しみは甘いものを食べないと解消できません!行きましょう!」


そう言って私をファミレスの方向に連れて行くともえちゃん。


…ふふっ、こんなときでも気遣いを忘れないのがともえちゃんのいいところだよね。


「うん、行こっか」


「行きましょう!今フェアやってるんで!」


また岬木くんと仲良くなることができたらいいな。難しそうだけど。
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