きみと繋げた雪明かり

真相



「…星野さん」


「し、岬木くん……」



今は、最終下校時間に割と近い時間。


教室内に荷物を取りにきたらそのには岬木くんの姿があった。


いつもは大体この時間には誰もいないはずなのに…


それに、今この教室には誰もいないって言うことが更に気まずい。


「え、と。そのもうすぐ最終下校時間だから、じゃあね……」



……平然と振る舞うの下手か私…!



そのまま帰ろうとすると、後ろから「待って」と岬木くんの声が聞こえた気がした。


「ずっと、話したかったし、この前も、帰られちゃったから……」


そう言って、しゅんとまゆを下げる岬木くんはなんだか子犬みたいで少し可愛い。


……でも、


「ご、ごめん……私なんかが岬木くんと話すと、迷惑になっちゃうからっ…!」



……悪いけど、今は心の準備的に無理だ。



ちなみにここ数日間に、水ぶっかけ事件はあったとして、筆箱やら靴やらいろんなものが紛失している。


靴は見つかったからよかった、あれはないと帰れないし……



でも、私たち。お互いのためにも話さない方が…



「俺、また星野さんと仲良くしたい。事務的な関係だけ、なんて嫌だよ」



仲良くしたいのは私も同じだ。でも、岬木くんと仲良くしたらお互い的に不利益しかない。


岬木くんは面倒事も引き受けちゃうかもしれないけれど、私はそこまで優しくもないし、仲良くする価値も少ない。
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